不服申立ての「再調査の請求」と「審査請求」の違いは、申立て先、簡易・迅速、個別法

関税法等

ワリオです。不服申立ての「再調査の請求」と「審査請求」の違いが分からないというツイートを見てこの記事を書きました。パッと思いついた違いは、

  • 「再調査の請求」は税関長に、「審査請求」は財務大臣にする。
  • 「再調査の請求」をしたら「再調査の請求の決定」を経ないと原則「審査請求」できない(再調査請求の前置)

という違いですが、ふと「じゃあ最初から財務大臣に「審査請求」すればいいのでは?なんでわざわざ「再調査の請求」で遠回りするの?」と疑問に思いました。通関業未経験者だから湧く疑問でしょうね。

日本関税協会『通関士試験の指針2020年版』p.339を読んで違いが分かりました。「再調査の請求」とはどういう手続かというと、

  • 処分庁自身が審査請求よりも簡易な手続で事実関係の再調査をすることにより処分の見直しをすることを求める手続
  • 課税処分などのように不服申立てが大量に行われている処分について、簡易な手続により処分庁が迅速に処分について再考することを求める手続
  • 関税法や国税通則法などの個別法で認めた場合にのみ、することができることとされている。

簡単に言うと、頻繁にある不服申立てを簡易かつ迅速に処理するための手続ということですね。

3つ目について実際の条文で確認してみると、確かに書いてあります。

行政不服審査法 第5条第1項(再調査の請求)

行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合において、法律再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときは、当該処分に不服がある者は、処分庁に対して再調査の請求をすることができる。ただし、当該処分について第2条の規定により審査請求をしたときは、この限りでない。

 

関税法第89条(再調査の請求)

この法律又は他の関税に関する法律の規定による税関長の処分に不服がある者は、再調査の請求をすることができる。

関税法第89条 再調査の請求

下の芦屋会計事務所の記事では、税務調査に関する不服申立てについて解説されていますが、一般的に税務署が一旦自分が下した結論を覆すことはほとんどないため「再調査の請求」は納税者の主張が受け入れられにくいデメリットがあるそうです。税関も同じなのでしょうか。

税務調査の不服申し立て「再調査の請求」と「審査請求」の違いを徹底解説 (ashiyakaikei.com)

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